春宵一刻値千金

この時期になると、いつもこの漢詩を思い出します。
若い頃はあまり感じなかったのですが、最近 しみじみと
この詩の良さを思います。中国北宋代の政治家、詩人、書家の蘇軾、つまり蘇東坡(そとうば)が詠んだといわれています。

春夜
春宵一刻直千金
花有清香月有陰
歌管楼台声細細
鞦韆院落夜沈沈

書き下し)
春宵(しゅんしょう)一刻(いっこく)直(あたい)千金(せんきん)
花に清香(せいこう)有り 月に陰有り 
歌管(かかん)楼台(ろうだい)声細細(さいさい)
鞦韆(しゅうせん)院落(いんらく)夜沈沈(ちんちん)

現代語訳)
春の夜の素晴らしさときたら、一時(ひととき)が千金にもあたいするほどだ。
清らかな花の香が漂い、月は朧に霞んでいる。
高殿から、先ほどまで賑やかに聞こえていた歌声や管弦も、
終わったようで、今は細く静かに、音が流れるばかり。
人気のない中庭にひっそりとブランコがぶら下がり、夜は静かにふけていく。

夜の写真がなかったので、お花の写真でお許しください。
最後のブランコがどんなだったか気になっています。

人気のない中庭に、
ひっそりとブランコがぶら下がっていて、夜は静かにふけていく。