福島:悠湯人(ゆうゆうびと)の里・母畑温泉


いまからおよそ900年前に開湯したというこの歴史ある温泉郷には、「母畑の三日湯」ということばが伝えられています。日本で3本の指に入るラジウム含有量を誇るこのお湯に入ると、3日で体調が良くなるのだそうです。


お湯は、透明ですべすべぬるぬるした肌触り。浸かった瞬間に肌をしっとりやわらかく包みこみます。
3日で良くなる温泉のゆえんは、お湯質もさることながら、石川町(母畑温泉の所在地)の人々の素朴さと情の厚さの力が大きいのです。
八幡屋のご主人はじめスタッフのみなさんの、さりげないけれど行き届いたもてなしや思いやりの所作に触れ、心身ともにリフレッシュした一夜でした


八幡屋の部屋から臨む石川町・母畑温泉郷。右手に小学校、真ん中は短いメインストリート。両脇に密に並ぶ民家や家族経営の小さいスーパーが、ここだけで完結する小さい地球のようです。この奇跡の景色をなくしてはいけないと、思いを新たにしました。
私たち旅行業界にとって、今が力の発揮どきでしょうか。

2日間の福島巡行を終え新白河駅へ向かう道中で見つけたのぼりには、「がんばるぞ!福島」と書かれていました。「がんばれ!」でも「がんばろう!」でもない一行に、当地の闘いを見た気がしました