旅の食事は、本当に大事です。いつもいつも気をつかいます。食は文化ですから、なるべくその文化に触れていただきたいと思ってあれこれと選んでいます。先日の台湾旅行もしかり。お客様に何が印象深かったですか?とたずねたら、すぐにあのスープと答えられました。あのスープとは佛跳牆(ぶっちょうしょう)のことです。
漢字でかかれた料理名は、日本人ならだれでもおおよその意味はわかります。ところが、この料理名を最初に見た時は全く、見当もつきませんでした。日本語に訳すと仏が塀を超えて来る?っていったい何?
名前の由来は「あまりの美味しそうな香りに修行僧ですらお寺の塀を飛び越えて来る」という詞にあるとされています。乾物を主に様々な高級食材を数日かけて調理する福建料理の伝統的な高級スープのことなのです。日本では単価が高くなりすぎて、なかなか味わうことのないないものです。
私はこのスープをいただく度に、中国の食文化の奥深さをかんじています。
とてつもなく美味しいのですが、乾物を煮るため見た目は地味です。映えないので器の写真で失礼します。