人形の家

歌手の弘田三枝子さんがなくなりました。

彼女の歌っている『人形の家』が、新天地を求めて満州にわたった日本人の気持ちを歌っていると知ったのは、数年前のことです。

以前 この歌の作詞をなさったなかにし礼さんがラジオで語ったことばがありますの引用します。

「1945年8月14日、日本の外務省は在外邦人について『できる限り現地に定着させる』との方針を出しています。帰ってくるなということですよ。顔も見たくないほど、あなたに嫌われるなんて……。
この『人形の家』の歌い出しの裏には、日本国民や日本政府から顔も見たくないほど嫌われるなんて……という思いがあったわけです」

数多く中国の東北地方に行き、残留孤児の方のお手伝いをしたりしていた私にとって、少しばかりその重さがわかるような気がします。
弘田三枝子さんの歌声とその歌詞の内容はこれからも私の心の中に残っていくと思います。
旧大連民政署